オランダの茶色いパン

Digging into the taste of bread in Holland

Broodje zeekraal 海の香りのパン 

オランダの北にあるテッセル島に行ったときのことです。
レストランなどで「この島の特産を楽しみたんですけど、おすすめは何でしょう?」と聞くと、ウェイターさんは「そうですねー、魚だとハーリングがおすすめですけど、オランダのどこででも食べられますし……」と、たいてい困った顔になってしまいます。
そして、あ、そうだ、と気づきます。オランダは、電車に2~3時間も乗れば北から南まで行けてしまう。物産展や道の駅で地方の物を探すのとは勝手が違うのだなと。

テッセル島2日目に、ベーカリーカフェで朝食をとりました。そこで見慣れないパンを見つけました。Zeekraal(ゼークラール)入りのパンです。

Zeekraalは、塩湿地に生えるパイオニア塩生植物だそうです。和名はアッケシソウ。その姿や食感からシーアスパラガスとも呼ばれています。植物自体に塩味があるので茹でるだけでOKらしく、テッセル島では肉料理や魚料理の付け合わせの野菜としてもよく見ました。
私が食べたパンはバゲッド風の生地にZeekraalを練りこんだもので、細いアスパラのような食感と塩味がパンととてもマッチしていました。海のものというと海藻類が浮かび、頭が勝手に味を描いてしまいますが、Zeekraalには、海ぶどうのような磯の味はありませんでした。海藻ではなく野菜だから当たり前といえば当たり前なのですが、何だか新鮮でした。

旅行から戻り、スーパーに行ったら、海藻を売る一角にZeekraalもありました。特にテッセル島の特産というわけではないことがわかりましたが、どちらかといえば高級食材としての扱いで、パンの具材にするには、ちょっと高すぎるかも、と思いました。テッセル島があるワッデン海保全地域は、遠浅の湿地帯や干潟、砂州などが特徴です。他の地方よりも豊富にZeekraalがとれるのかもしれませんね。

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