オランダの茶色いパン

Digging into the taste of bread in Holland


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ストーリーのあるベーカリー Le Perron

スーパーでお野菜やお米など、毎日口にする食べ物を買う時、ショーケースに無機質に並んでいるものよりも、「地元野菜」や「契約農家さんのお野菜」などのふれこみで、特別にしつらえたコーナーに目がいくことって、よくありますよね。底に新聞紙が敷かれた木のクレートに積まれたお野菜のほうがおいしそう。マーケティングじゃないの?と斜に構えつつも、ついつい手がのびます。単なる商品じゃなくて、その商品に付随するストーリーにひかれているのかなぁ。

支店を出してもその地域だけにとどまるベーカリーが多いオランダにあって、北はレーウワルデン、南はティルブルグまで30店以上を展開しているLe Perronに出合ったのは、星型要塞で有名なナールデンにほど近いブッスムでした。

昔のオランダ人のくらしを伝えるレトロな写真が目を引き、店頭にしつらえたワゴンのバスケットにはフレッシュなバケット。店の中に入ると、田舎風のインテリアに、おいしそうなリーン系のパンがずらずらー。

田舎風ブーランジェリー、スペルト小麦、サワー種、オーガニック。もー、やられてしまう単語ばかりです。Le Perronは、1980年代、ファーマーズマーケットとして有名なアムステルダムのノードマルクトから始まったそうです。店頭の写真は、19世紀のノードマルクトの様子。アムステルダム出身のカメラマンJacob Olieによって撮られた写真で、人々が集うマーケットで昔ながらの製法で焼くパンを届ける――。そんな思いを込めて、この一葉をLe Perronの骨格としたそうです。

次に出合ったのは、ザーンダム駅近くの教会前。

固定したショップと週数回のマーケットでワゴン出店するという2種類の業態だそうで、さすがマーケットからはじまったベーカリーですね。

パンの他にもラスクのようなお菓子、ドレッシング、マスタードなど商品も幅広いので、ビジネス規模はかなり大きいはずなのですが、素朴さを感じずにはいれない雰囲気。いじわるな言い方をすればマーケティングが上手、よい言い方すれば出発当初の哲学を体現していく決意がある。

ハーグで毎週木曜日に開かれるオーガニックマーケットにも出ているので、何回か買ったことがありますが、素材にこだわっているだけあって、際立った特徴はありませんが、信頼できる味です。バケットでも300円以上するので決して安くはありませんが、期待を裏切りません。

日常使いのパン屋ではなく、バスケットを片手に、毎週1回だけ開かれるマーケットを楽しみに買いに行く。そんなベーカリーです。

 

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Bakker Van Vessem ハーレムのベーカリー

新しいまちに引っ越して落ち着いてきた頃、まず探すのが、まちのパン屋さんです。忙しい日はスーパーや全国チェーン展開するベーカリーでささっと買いますが、時間があるときに立ち寄れるまちおいしいパン屋さんがあれば、そのまちに一気に愛着がわきます。しかも、そのまちに根をしっかりと下ろしているパン屋さんなら言うことありません。

アムステルダIMG_2619ムから電車で約15分、しっとりと落ち着いた古都ハーレムに着きます。219ikganaar

ハーレムを中心に展開しているBakker van Vessemは、店がまえといい、パンといい、ハーレムに住んでいてよかったと思わせてくれる「まちのパン屋さん」です。

私感ですが、まちのパン屋は「なんとなくまちにある」と「まちのグレードをあげる」と2種類あると思います。なんとなく系はスーパーで買うがごとく必要だから買うという使い方になるのですが、グレードをあげる系は大げさに言えば、そのまちに住んでいることを誇りに思う気持ちにさせてくれます。Van Vessemは間違いなく後者です。

リーン系、惣菜系、甘系とオールラウンドにアイテムが揃っており、お菓子もあります。店にオーブンがあるので焼きたても。黒板には「○○は○時に焼き上がります」というメッセージがあがっています。その月限定パンなどもあってパン好きの心をくすぐります。

オランダのベーカリーはレジカウンターの後ろにバケットや食パンなどの食事パンが並べられている場合が多いのですが、言葉が不自由でかつ近眼の私には「これください」ならまだしも、「あのパンはどんなパンですか?」と聞きたいのに聞けない(言えても答えがわからない)もどかしさが常にありました。Van Vessemはリーン系の食事パンも店内のラックに並べてあるので、じっくり見比べることができるのが嬉しいです。

パンひとつ買うのにそんなに時間をかけるかという意見もあろうかと思いますが、香ばしい小麦の香りに包まれながら、あらおいしそう、こっちもおいしそうと店内をさまようのも楽しいものです。

 


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Vlaamsch broodhuys 幸せ時間のベーカリーカフェ 

ベーカリーでパンを買うとほんわかと幸せな気分になります。そこにカフェもあって、おいしいコーヒーと焼きたてパン、あるいはパンのメニューがあって、しかもお昼時で天気もよくて……。寄らないわけにはいきません。

1996年にオープンし、アムステルダム、デンハーグ、ロッテルダム、ユトレヒトと主要都市に店があるVlaamsch Broodhuys。小麦の原種に近いといわれるフランス産のカンレミ粉、自家製サワー種、ゲランの塩、ベーカリー用の水と原材料を丁寧に選び、リーン系のパンを数多く焼きあげています。

併設するカフェでは自家製ボーターハム(サンドイッチ)、サラダ、キッシュ、数人でシェアできるプレートと、パンカフェ好きのココロをくすぐるメニューが勢揃い。しかも白を基調にして店内もパンのディスプレイも、カフェもおしゃれ。こんなカフェが街角にあれば、友達とのたわいないおしゃべりもはずみます。

 

ベーカリーカフェで過ごす昼時。本当にシアワセになります。


Hartog’s  1901年のレシピを継ぐ小さなパン屋

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パンを買う人がひっきりなしに訪れます

アムステルダム中央駅から地下鉄で5駅、歩くと40分くらいのところに小さなパン屋があります。

アムステルフェーンに住む友人のところでごちそうになったマフィンがあまりにもおいしかったので、訪ねてみることにしました。

パン屋さん(オランダ語ではバッカレイ)の名前はHartog’s。Hartogさんが1800年代にパンを焼き始め、近隣で評判になったのが始まりです。一家は1901年にRuyschstraatに引っ越し、家の一部をパン屋に改装してバッカレイをオープン、今に至ります。

IMG_2211_1店を構えているのが大通りから横に入った特徴のない通りだったので、不思議な立地だなぁと思ったのですが、自宅兼店だったと聞けば納得です。

ここのパンはすべて全粒粉で、創業者のAagje Hartogさんが編み出した100年以上たつレシピを今でも使っています。

早速、全粒粉のパンを2種類買ってみました。

包み紙がおしゃれ

包み紙がおしゃれ

ひとつはケシの実がのっているパン、ひとつはナッツがふんだんに生地に練りこまれたパンです。スライスする?と聞かれたので、自分でスライスするのは難しいかな? と尋ねたら、大丈夫という答え。ずっしりと重いパンは、固いというよりも、ナイフでは簡単につぶれないみっちりとした生地で、パンのスライスが下手な自分でも均等な厚さに切れる安定感があります。

重さと同様IMG_2267に、強すぎず、弱すぎない味わいの生地は、何を挟んでも馴染む安心感と、もう一度食べたいを思わせる確固たる主張がありました。

 

 

 

そして、マフィン! スペルト小麦で作ったマフィンで、中にチェリーがまるごと2つくらい入っていて、ケシの実のプチプチが楽しい食感を生みだ しています。外側がちょっとだけカリっとしていて、中は適度にふんわり。バターや甘さは控えめで、他の食材で味を覆うことのない自然な味です。
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パン屋さんの数百メートIMG_2212ル先にカフェもあります。

パンを買うこともできますし、パンとジャムやハムなど挟むものを選んで飲み物と楽しむこともできます。私がいったときは、マフィンひとつとコーヒーを注文しているおじいさんがいました。常連さんかもしれませんね。

自家製ブレンドの小麦に対する信頼が生み出す滋味深い味わいが、地元にしっかり根付いているパン屋さんです。

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