オランダの茶色いパン

Digging into the taste of bread in Holland


Pepernoten 冬の行事の一口パン?

クッキーとしてオランダでは有名なお菓子ですが、私には、どうしても湿った乾パン(湿っているなら乾パンではないか…)としか思えないので、菓子パンとして紹介してしまいます。

名前はペーパーノーテン。胡椒ナッツという意味ですが、胡椒も、ナッツも関係ありません。ナツメグ、グローブ、シナモン、アニス、ジンジャーと香辛料がたっぷり効かせた一口大のクッキーです。クッキーのように乾いたものもありますが、しっとりとしたパンの耳のような形状のものもあります。

このお菓子は、オランダの冬の大切な行事であるシンタクラースのお祭りのときに食べます。シンタクラースのお祭りとは、11月中旬、聖ニコラウスがズワルトピートという従者を率いてスペインから船でやってきて、オランダ中のよい子に贈り物をしてまわり、12月6日にスペインに戻るというもので、オランダ版クリスマスといえるでしょう。クリスマスも祝いますが、シンタクラースオランダ上陸が生中継されるほど、オランダ人にとってはシンタクラースのほうが大切なようです。

その時期になると、このペパーノーテンのほか、マジパンやアルファベットのチョコレートなどがスーパーやベーカリーの店頭を賑わします。ズワルトピートは麻袋をしょって、街から街へと忙しくお菓子を配ります。家庭を訪ねてペパーノーテンをバラバラとばらまくこともあるそう。喜びを爆発させる子供達の顔が目に浮かびそうですね。

さて、このペパーノーテンのお味は。香辛料が強いです。なじみが薄いアニスの香りがきつく、あまり好きじゃないという日本の人も多いです、残念ながら。私もペパーノーテンに関してはフラットな感想です(嫌いでもないが、好きでもない)。

食べ物は単独で成り立っているものではなく、その国の文化や習慣、個人の思い出と深くつながっています。オランダでシンタクラースのお祭りを見たり、季節の移り変わりを肌で感じるような体験を重ねることで、ペパーノーテンの感想も変わっていくのだと思います。

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