オランダの茶色いパン

Digging into the taste of bread in Holland


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Hartogさんのマフィン再び

アムステルダムに行く用事がありました。最初の用事を済ませ、次の約束の時間まで1時間あまり。観光する気分でもないし…。そうだ、あのパン屋さんに行ってみよう。

アムステルダム中心街から地下鉄で数分のところにあるHartogというパン屋さんです。最後に訪れたのは2年前。このブログにも書きました。お目当てはもちろんスペルト小麦のマフィンです。

2年前は、ベーカリー、ベーカリー兼カフェの2軒に分かれていましたが、ベーカリー兼カフェの1軒になっていました。白にゴシック系の書体がきれい。

平日の16時頃でしたが、お客さんがひっきりなしに入ったり出たりしています。地元のオランダ人だったり、学生か駐在員のイギリス人だったり、相変わらずの人気ぶりです。

翌日、家でゆっくりマフィンを味わいます。バターあるいはマーガリンの分量が絶妙なのか、しっかり焼き上げてあるからか、外側が適度にかたく、重いです。94g。パサパサなのかと思いきや、生地はしっとりとして密だが、ボロボロ崩れることなく、小麦の味をかみしめられる。生地に練りこまれたケシの実がプチプチの食感を生みだし、酸味の効いたチェリーが生地の甘さを相殺します。やっぱり、文句なくおいしい。

私が訪れたときは、マフィンは3つだけ残っていました。列で待つこと数分、幸いにも買われなかったので、「3つください」と注文すると、私の次のおじさんが「僕も1つ欲しいんだ」(汗)。おじさんも楽しみにしていたんだ。「じゃあ、2つでいいです」。そう注文しなおすと、おじさんの顔に何とも言えない安堵の色が広がりました。子どもか奥さんに頼まれていたのかな。

 

 


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季節のスパイスクッキー2 Taai-Taai

Speculaas同様、11月の声を聞いた途端に、あちこちのパン屋やスーパーで見かけるお菓子があります。名前はTaai-Taai。ターイターイと発音します。独特の語感で一発で覚えられましたが、Taaiは英語でTough、かたいという意味です。シンタクラースやシンタクラースのお付きのズワルトピートの型にぬかれたビスケットに、これから始まるシンタクラースのお祭り月間への期待も高まります。

かたいといっても、堅焼きおせんべいのガリッと乾いた感じではなく、ぬれせん的な湿り気に、噛みごたえをプラスしたようなビスケットです。

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味はというと、最初にオランダお菓子ではお馴染のスパイス、アニスシードが口の中をかけめぐり、後でスペキュラース味が残るという、スパイス強め。ペパーノーテンと似ています。それもそのはず、型抜きをした後の生地でペパーノーテンを作ることがあるそうです。

初めて体験する味に、慣れずにさよならするか、スパイスの効いた味がクセになってくるか。オランダ生活になれるかなれないかの関門と、とれなくもない。外国からの人が醤油味に慣れていくか?に似ているかもしれません。

なぜこのスパイスをビスケットに練りこむに至ったか、なぜオランダだけシンタクラースを祝うのか。ひとつのビスケットにも、その国が紡ぐ深~い物語があるのです。

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スーパーの他、パン屋さんでも売っています


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季節のスパイスクッキー Speculaas

11月の声を聞くと、オランダ全土はザワザワしてきます(特に子ども)。それはシンタクラースの行事月に入るからです。

一年の行事のなかで最も盛大かつオランダ人がもっとも大切にしているシンタクラース。サンタクロースおよびクリスマスの原型と言われています。

11月中旬、シンタクラースという赤い帽子に白いヒゲの聖人がお供のズワルトピートを連れて蒸気船に乗ってスペインからオランダにやってきます。オランダ中に散らばるよい子を訪ねて歩き、12月5日にプレゼントを配って、翌日再びスペインに戻ります。

シンタクラースが船でやってくる様子は生中継されるほどで、スペインに帰るまでの2週間あまり、彼らを街中で見かけることもあります。最近はこのズワルトピートの真っ黒な顔が人種差別だと物議をかもしていますが、かえって煽っているのではないかという気がしないでもないです。とにかく、楽しみにしている子どもの夢の邪魔になるようなことにならないといいなと思うのでした。自分がオランダで子どもだったら、眼キラキラの行事だったと思うもの。

さて、そんなシンタクラース時期に配られるお菓子の中にスペキュラースという茶色いクッキーがあります。コショウ、シナモン、ジンジャー、クローブ、カルダモン、ナツメグが配合された独特の味がするスパイスクッキーです。聖ニコラス由来の模様やイメージを表面にかたどるのが特徴です。最近は、11月のみならず、スーパーなどで一年中買えるようになりました。でも、せっかくならパン屋さんでこの時期に自家製スペキュラースを食べたいものです。

スパイスがかなり効いた味ですが、シナモン好きな人ならいける味です。日本では出合わないツンとくる風味と、真っ赤な帽子に真っ白おひげのシンタクラース。馴染みはないけれど、おいしいスペキュラースに、なぜか、『ブレーメンの音楽隊』の暗いけれど魅力たっぷりのおはなしや挿絵に目が離せなくなった、小さい頃を思い出してしまいます。

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アンティーク市で、スペキュラース用の木型が見つかります。

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Pecanbroodje 焦がしナッツのニクい味

ナッツ系のパンの代表といえば、クルミぱん!と叫びたくなりますが(叫ばなくてもいいですが)、ここオランダでは、立体星形をしたクルミぱんはありません。というか、どういう形態であれ、クルミを使ったパンにお目にかかったことはありません。ヒマワリの種、ケシの実とか種子を使ったパンだらけなんですけどね。なぜかクルミはなく。IMG_9559

その代わりというわけではないですが、クルミと同じクルミ科のピーカンナッツのパン、Pecanbroodjeが楽しめます。日本のクルミパンのように生地に練りこむのではなく、ペイストリー生地にトッピングします。

このパンの醍醐味は、メープルシロップでキャラメリゼした焦げ寸前のピーカンの味と食感です。

クルミよりもエグみが少なく、コゲ手前のメープルシロップとよく合うんです。プリンのカラメルとよく似ています。甘さにちょびっと苦味が混じると、途端に大人の味。プッチンプリンじゃなくて、森永の焼プリン。

焦がし系ってなんでこんなにおいしいんでしょうね。

中にアーモンドペーストが入っていることがあります。

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砂の丘の雑穀パン Duinenbrood

いつものパン屋にいつものアリンソンブロートを買いにいきました。残念ながら、その日は売り切れ。代わりに食パンを、とカウンターに並ぶパンを見ると、「Duinenbrood」が目につきました。指さすと、「これも全粒粉よ」とお店の人。

家に帰ってからDuinenを辞書で調べてみると、「砂丘」という意味でした。砂丘パン? はて。名前の由来は後でじっくり調べるとして、この食パン、ふわふわの食感とやさしい小麦の香り、外側にちらしたヒマワリの種が特徴です。

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Duinenbroodは1980年代に作られたそうです。その頃から健康志向のパンを好む傾向があり、雑穀粉を混ぜてなんとかおいしいパンを作れないかと、このパンが考案されました。考案者は、オランダでも大手で100年以上の歴史をもつ老舗ベーカリー Van Maanenです。

このDuinenbrood、誕生した頃はまだ生地は少しかたかったそう。子どもにも喜ばれるように、雑穀を事前に濡らしたり、濡らす時間を長くしたりなど工夫を凝らし、生地のやわらかさに改良を重ねていったそうです。

確かに、小麦色の肌をしていながら、白い食パンかと思うくらいのやわらかさ。味にもくせがなく、甘い系、チーズ、惣菜、何でものっけられそうです。

ひまわりのプチっとした食感も楽しく、アリンソンブロートに並んで常備しておきたい食パンのひとつになりました。

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そうそう、砂丘パンの名前の由来ですが、考案者のVan Maanenが拠点をおくライデン近くのvan Katwijkという砂丘のある地名から来るそうです。考案者がKatwijkの砂丘のウォーキングをしていた時だそうです。風になびく草、さらさらと音をたてる砂。そうだ、こんな自然に沿ったパンを作ろう。そう思ったそうです。ロマンですね。


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スープは仲良し Instantsoepen

のっける、塗る、挟む。パン食のバリエーションの基本ですが、オランダというかヨーロッパでは、プラスアルファでとても大切な付け合わせがあります。

それが、スープです。カフェのランチでも、サンドイッチなどのメニューと並んで、スープが単体でメニューにあります。もちろんパン付き。皿ではなく、壺になみなみとつがれたスープとパンは、ウキウキメニューのひとつです。

スーパーでもバリエーション豊かにインスタントのカップスープが売られています。種類もさることながら、シリアルボールの量のお湯が注げるのが私的には嬉しいです。

というわけで、今回はスーパーで買えるインスタントスープあれこれをご紹介します。家のストックを探してみたら、3種類のスープがありました。

左はトマトクリームスープ。リッチな味わいです。中央はマスタードスープ。私のなかではオランダ産スープのトップ。マスタードの酸っぱさと、ピリッとしたかすかな辛みと苦味がたまりません。酸辣湯のようなすっぱ系の味が好きな人ならいけるはずです。右は、限定販売のアジアの味「赤カレーとココナッツ」。アジア味には懐疑的でしたが、どうしていけます。日清カップヌードルのカレー味をラクサに近づけた感じです。在庫処理バーゲンで、50セントで仕入れました。

次にスーパーをのぞいてみましょう。

 

左からフランス風オニオンスープ(Franse ui)。フランス風となると、チーズとか色々はいってリッチな仕立てになります。中央マスタードスープ(Mosterd)。右はハンガリー風グヤーシュ(牛肉のシチュー)(Hongaarse goulash)。ハンガリーが挟み込まれるところ、図らずも地続きヨーロッパを感じさせられます。

 

左からピリ辛トマト味(Pittige tomaat)、中国風チキン(Chinese Kip)、野菜スープ(Gronte)、エンドウ豆スープ(Erwt)。エンドウ豆のスープ、エルテンスープはオランダの冬の風物詩スープです。

 

左は女王スープ(Koninginnen soep)、右はカレースープ。女王スープは、リッチなクリームチキンスープです。贅沢な材料なので女王なのか?と思いましたが、クイーンズデー(現在は国王の日)に飲まれていたスープで、起源をたどると17世紀フランスからもたらされたポタージュにたどり着くようです。マッシュルームとアーモンドをスープストックにした複雑な味だそうです。

 

左からシャンピオンクリーム(Champignon creme)、シャンピオンハム(Champignon ham)、ポロねぎクリーム(Prei creme)、アスパラスープ(Asperge)。アスパラはもちろん白アスパラですね! シャンピオンはいわゆるマッシュルームです。

 

粉末のカップスープのみならず、あたためるレトルトも豊富です。これまた量もたっぷり。オーガニック(Biologische soep)もあります。

ランチ時、夕食を軽くすませたい時、パンとたっぷりスープを楽しみましょう。ほわほわとたつ湯気の向こうに幸せが見えてくる温かなごはんになること間違いなしです。


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ハンバーガーじゃないよ Broodje bal

オランダの名物クロケット(コロッケ)、パタット(ポテトフライ)があまりにも有名なので、陰に隠れていますが、ミートボールもオランダの伝統的な食べ物。

ミートボールはgehaktballenといいます。日本風にいえば肉団子。gehaktは挽肉、ballenはボール(複数)という意味です。クロケットやパタットはストリートスナックとして道すがら楽しむものですが、ミートボールはデリで買うか、レストランで頼むか、家庭で作るかして座って食べるという感じ。むろん、その場で食べてもいいのですが、道すがらポテトフライを食べる人はジーンズ姿でもスーツ姿でもよく見るものの、店先でミートボールをがっつくオランダ人は未だにお目にかかったことがありません。

友人とカフェでランチをすることになり、いつものようにパンメニューずらずs-IMG_7613ら~を眺めていたら、Broodje balが目につきました。自家製ミートボールのサンドイッチとな。ピーナツソースかマスタードソースを選ぶそうだ。決めました。

出てきた料理は、丸いバンズに肉団子。つまり、ハンバーガー?

いえいえ、ハンバーガーは平たいハンバーグが1枚挟まれているのに対し、こちらは球体のミートボールを4つに切って挟んでいます。他の具もありません。シンプルに肉団子だけです。

ナイフ&フォークを使わず、ハンバーガーではないですが、ハンバーガー風に手にもつと、かためのパンと指におされて、ミートボールはくたくたーっと身を崩していきました。

Gehaktballenは小麦粉をはたいて外側をカリッとさせることもあるようですが、私がいただいた肉団子はとてもやわらかくてパンにもなじみ、最後までパン&肉を均一に楽しむことができました。

テーブルに料理が出てきたときは、団子1個だけかよ~と思いましたが、どっこい、かなりのボリュームでした。混ぜもののない良心的な肉団子だったのだと思います。